自作PCを組みたいけれど、予算に合わせてどのパーツを選べばいいのかわからない。そんな方に向けて、2026年2月時点の実売価格をベースに、3つの予算帯でおすすめの構成例を紹介する。
ただし、現在はDRAM(メモリ)の世界的な価格高騰により、PCパーツ全体が値上がり傾向にある。特にメモリとグラフィックボードの価格変動が激しいため、各パーツの最新価格は購入前に必ず確認してほしい。
グラフィックボードの価格変動の仕組みについては「グラフィックボードの価格はなぜ変動するのか」で詳しく解説している。また、日々の価格チェックにはAppliances Lab – Price Trackerを活用できる。
パーツ選びの基本方針
自作PCで最も重要なのはグラフィックボード(GPU)に予算を集中させることだ。ゲーミング性能はGPUに最も大きく依存するため、総予算の30〜40%をGPUに割り当てるのが定石となる。
予算配分の目安は以下の通りだ。
- GPU: 30〜40%
- CPU: 20〜25%
- マザーボード: 10〜15%
- メモリ: 10%
- ストレージ: 10%
- 電源: 8〜10%
- ケース: 5〜10%
この比率を基本としつつ、各予算帯で現実的な構成に落とし込んでいく。
予算10万円 — フルHDで快適に遊べるエントリー構成
フルHD(1920×1080)環境でApex Legends、Valorant、原神などの人気タイトルを快適にプレイできる構成だ。
| パーツ | 推奨モデル | 目安価格 |
|---|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 5 7600(AM5) | 約28,000円 |
| GPU | GeForce RTX 3050 または Arc B580 | 約30,000〜40,000円 |
| マザーボード | B650チップセット(DDR5対応) | 約15,000円 |
| メモリ | DDR5-5600 16GB×2(32GB) | 約15,000〜20,000円 |
| SSD | NVMe Gen4 500GB | 約6,000円 |
| 電源 | 650W 80PLUS Bronze | 約8,000円 |
| ケース | ミドルタワー(メッシュフロント) | 約5,000〜7,000円 |
| 合計 | 約10〜12万円 |
ポイント
CPUはAM5プラットフォームのRyzen 5 7600を選択。将来的にCPUだけをRyzen 9000シリーズにアップグレードできるため、長期的なコストパフォーマンスが高い。
GPUは予算的にRTX 3050クラスが現実的だが、Intel Arc B580(12GB)が入手できれば、VRAM容量の面で有利だ。メモリ高騰の影響でDDR5が値上がりしているが、AM5プラットフォームではDDR5が必須のため、ここは割り切って投資する。
SSDは500GBだとゲームを多くインストールすると不足するため、余裕があれば1TBにアップグレードしたい。
予算15万円 — WQHDも視野に入るミドルレンジ構成
WQHD(2560×1440)環境で多くのタイトルを高画質でプレイできる構成。フルHDなら144fps以上も十分に狙える、最もバランスの良い価格帯だ。
| パーツ | 推奨モデル | 目安価格 |
|---|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 5 9600X(AM5) | 約38,000円 |
| GPU | Radeon RX 9060 XT(16GB) | 約60,000〜70,000円 |
| マザーボード | B650チップセット(DDR5対応) | 約18,000円 |
| メモリ | DDR5-5600 16GB×2(32GB) | 約15,000〜20,000円 |
| SSD | NVMe Gen4 1TB | 約10,000円 |
| 電源 | 750W 80PLUS Gold | 約12,000円 |
| ケース | ミドルタワー(メッシュフロント) | 約6,000円 |
| CPUクーラー | サイドフロー型空冷 | 約5,000円 |
| 合計 | 約16〜18万円 |
ポイント
この価格帯の鍵はGPU選びだ。NVIDIAのRTX 5060 Ti(16GB)が定価通りに入手できれば最有力だが、2026年2月時点では品薄で9万円前後まで高騰している。代替として、AMDのRadeon RX 9060 XT(16GB)がコストパフォーマンスに優れる。
CPUはRyzen 5 9600Xに格上げ。ゲーム性能とマルチスレッド性能のバランスが良い。電源は将来的なGPUアップグレードを見据えて750Wを選択している。
NVIDIAにこだわる場合はRTX 5060 Ti(16GB)の在庫復活を待つか、RTX 5060(8GB)で妥協して差額を他パーツに回す選択肢もある。
予算25万円 — 4Kも狙えるハイエンド構成
4K(3840×2160)でのゲーミングも現実的に狙えるハイエンド構成。WQHDなら高リフレッシュレートで快適にプレイできる。
| パーツ | 推奨モデル | 目安価格 |
|---|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 7 9800X3D(AM5) | 約65,000円 |
| GPU | GeForce RTX 5070 Ti(16GB) | 約165,000円 |
| マザーボード | B850チップセット(DDR5対応) | 約25,000円 |
| メモリ | DDR5-5600 16GB×2(32GB) | 約15,000〜20,000円 |
| SSD | NVMe Gen4 1TB | 約10,000円 |
| 電源 | 750W 80PLUS Gold(ATX 3.1) | 約13,000円 |
| ケース | ミドルタワー(エアフロー重視) | 約8,000円 |
| CPUクーラー | 240mm 簡易水冷 | 約12,000円 |
| 合計 | 約31〜33万円 |
ポイント
2026年2月時点の実売価格では、この構成は25万円を超えて30万円台に達する。定価ベースなら25万円前後に収まるが、DRAM高騰とGPU品薄の影響が大きい。
CPUとGPUの組み合わせは「Ryzen 7 9800X3D + RTX 5070 Ti」が現時点でのゲーミング最適解の一つ。3D V-Cacheによる高いゲーム性能と、RTX 5070 Tiの16GB VRAMで、WQHD〜4Kまで幅広くカバーできる。
予算にさらに余裕がある場合は、RTX 5080への変更を検討してもよい。詳しくは「RTX 5080 vs RTX 5070 Ti 徹底比較」を参照してほしい。
共通の注意点
OS(Windows)のライセンス
上記の構成例にはOS代が含まれていない。Windows 11 Homeのライセンスは約16,000〜19,000円程度。既にライセンスを持っている場合は流用できるが、新規の場合は予算に上乗せする必要がある。
メモリ高騰への対策
2026年現在、DDR5メモリは大幅に値上がりしている。急いでいなければ、価格が落ち着くまで16GB(8GB×2)で仮運用し、後から32GBに増設するという手もある。ただし、メモリスロットの空きを確保するために2枚構成で始めておくのがポイントだ。
将来のアップグレードを見据える
AM5プラットフォーム(AMD Ryzen 7000/9000シリーズ)は、AMDが長期サポートを表明しているソケットだ。マザーボードと電源を良いものにしておけば、CPU・GPU・メモリの段階的なアップグレードで長く使い続けられる。最初に全部を揃えるのではなく、段階的に構築していくのも賢い戦略だ。
まとめ
| 予算 | 対象解像度 | GPU | 一言 |
|---|---|---|---|
| 10万円 | フルHD | RTX 3050 / Arc B580 | まず始めるならここから |
| 15万円 | フルHD〜WQHD | RX 9060 XT / RTX 5060 Ti | バランス最優先のおすすめ帯 |
| 25万円 | WQHD〜4K | RTX 5070 Ti | 妥協なしのゲーミング環境 |
いずれの予算帯でも、GPU選びが構成の鍵を握る。各パーツの価格は日々変動するため、購入を検討する際はAppliances Lab – Price Trackerで最新価格を確認してから判断してほしい。
本記事の価格情報は2026年2月時点のものです。最新の価格動向は Appliances Lab – Price Tracker をご確認ください。
Powered by nakakitech.com
